BACK TO THE FUTURE PARTIII 全セリフ集
ホームBack To The Future's Room
注:『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』のテレ朝版(三ツ矢雄二版)の吹き替え版を中心にしています が、
本来の英語のセリフに準じているいるため所々で吹き替えとは異なっています。
基本、名前・名称は原語の通りに直してます。また管理人判断で日本語に分かりやすく意訳しているのを原語訳に直しました。

① オープニング

 1955年11月12日-夜-時計台

ドク「あああーああー!」

マーティ「ドク」


タイムスリップ!!

ドク「あぁー!やったぞー!大成功だ!あぁハハハハッ」

マーティ「ドク、ドク、ねぇドク!ドク!」

ドク「うわぁー!!」

マーティ「落ち着いてよ。僕だよマーティだよ」

ドク「そんなバカな。今未来へ送ったところだ」

マーティ「送り出してもらっただけ。また来たんだよ。未来から戻って来たの」

ドク「なんてこった…」

② ドクからの手紙


  1955年11月13日-朝-ドクの家

テレビの声「おい!今何時?ハウディ・ドゥティタイム」

ドク「すごい、やったぞ!うわぁ!『ハウディ・ドゥティ・タイム』の時間」

ドク「1955年11月13日月曜日午前7時1分。夕べ、行ったタイムトラベルの実験は見事に成功した。午後10時4分に時計台に落雷。1.21ジゴワットの電流がマシンに流れ込むや否やマシンは2本の炎のレールを残して跡形もなく消えた。マシンに乗ったマーティは時空を越えて1985年に飛んでいったものと小生は確信する。その後、その後・・・。何があったのかわからん。どうやって帰ってきたのかも。おそらく強烈な放電がタイムマシンの瞬間移動によって増幅され、私に脳波の混乱をさせて一時的記憶喪失を引き起こしたんだ。…少し思い出して来たぞ。タイムマシンが未来の彼方へ消え去った後、マーティが現れていった。未来から戻ってきたと」

マーティ「ドク」

ドク「あれは脳裏に焼き付いた残像だろうが。あぁあああーー!!」

マーティ「ドク、落ち着いてよ。僕、マーティ」

ドク「そんなバカなことがあるか。未来へ送り込んだのに」

マーティ「そうなんだけど、また未来から戻ってきたんだ。ほら夕べ気絶しちゃって、僕がここへ運んだんだよ 」

ドク「これは現実じゃない。マーティはここにはおらん。いるわけがないんだ。わたしゃ絶対信じないぞ!」

マーティ「いるんだよここにちゃんと訳がある。1985年からドクと一緒に戻ってきた。ビフが未来で手に入れた本を取り返すためにね。本は取り返したけど、1985年のドクはデロリアンに乗ったまま雷に打たれて1885年に飛んでちゃったんだよ!」

ドク「1885年!?それが本当なら実に興味深い話だ、未来少年。だが一つまだ合点のいかないことがある。もし未来の私がいま過去にいるとしたら、君がどうしてそれを知り得たかだ?」

マーティ「手紙が来たんだよ」

 夜-ドクのガレージ

ドク「マーティ、私の計算通りなら君はデロリアンが落雷を受けた直後にこれを受け取るはずだ。心配してると思うが私は元気だ。1885年に来て8ヶ月、ここで楽しく過ごしている。デロリアンが落雷に打たれた瞬間過剰なジゴワットがタイムサーキットに流れ、次元転移装置が作動して1885年に飛ばされたのだ。この過度の負担によりタイムサーキットと飛行サーキットが破壊された。2度とこのマシンで飛ぶことはできないだろう。空を飛ぶのか?」

マーティ「うん、21世紀へ行って飛べるように改造したからね」

ドク「信じられんことだ。私はいま鍛冶屋を開業している。来た当初のマシンのタイムサーキットを直そうと始めた仕事だが、残念ながら交換すべき部品が1947年まで発明されてなかったので修理は不可能とわかる。しかし馬の蹄鉄や馬車の修理に関しては今や熟練工だ。1885年。こいつやいい。私の行く末は大西部の鍛冶屋さんだぞ」

マーティ「かなりヘビーだね」

  ドク「デロリアンはブートヒルの古い墓地に隣接するデルガド鉱山の廃坑に埋めた。同封の地図参照のこと。君が1955年に掘り起こすまで人目に触れず、現状のまま保存されることを期待している。車の中に修理方法の指示書を入れておいた。1955年の私、つまりこの私なら、修理は簡単。君はそれで未来へ帰れるだろう。1985年に戻ったらマシンは直ちに破壊してほしい。壊すのかね?」

マーティ「あぁそれには色々と訳があったね」

ドク「最後に重ねて言うが決して私を迎えに来ないでくれ。澄んだ空気と広々した土地が小生大いに気に入っている。思うに不必要なタイムトラベルは時空連続体に混乱をもたらすだけだ。ただ一つ気になるのはアインシュタインのこと。アインシュタイン?」

マーティ「犬の名前だよ。ドクがアインシュタインって呼んでる愛犬。1985年の」

ドク「君は既に知っていることだが、散歩は日に二回。缶詰のドックフードだけが好物だ。私の遺言と思って全てこの手紙の通りにしてほしい。ではマー ティ、とうとう君に別れを言う時が来たようだ。君は常に誠実で優しい友達で私の人生を大きく変えた。君との友情は小生の宝だ。数々の楽しい思い出いつまでも大切にこの胸にしまっておこう。真実の友、ドク・エメット・ブラウン。1885年9月1日。自分で感動するってのも変な話だ」

マーティ「あぁ本当に素晴らしいよ」

コペルニクス「クゥウン」

ドク「あぁ大丈夫だよ。コペルニクス、お前は心配しなくていい」

ドク「ドクが過去に閉じ込められたのは僕のせいだよ。ビフに弱みを握られるようなことをして」

ドク「開拓時代の西部ならそう悲観したようでもない。これが中世の暗黒時代ともなれば異形とかなんかに焼き殺されても限らんからね。地図を見てみよう。これによるとタイムマシンが埋まっているのは廃坑の横穴だ。発破でぶっ飛ばすしかな」

 昼-デルガド鉱山前

マーティ「すげぇや。死人も目を覚ましそうな、爆発だったね」

ドク「キャメラを持ってきた。一部始終記録しておけ」

 昼-デルガド鉱山内

ドク「地球の中心を目指した初めての探検を思い出すよ。当時ジュール・ヴェルヌの小説に夢中でね。準備に1週間かけたが、この半分にも達しなかった。 最もまだ12だったがね。とにかく、ジュール・ヴェルヌの小説が私の人生に大きな影響を与えた。『海底二万里』を読んだのが11の時。自分は一生、科学に身を捧げようと決めた」

マーティ「ねぇ、ちょっと。これ見て」

ドク「私のイニシャル。『地底探検』と同じなら、きっとタイムマシンはこの壁の向こうにある」

ドク「あはぁ、70年と2ヶ月13日、ずっとここに埋もれていたのか。驚きだな」

マーティ「見ての通り。稲妻によってタイムサーキットをコントロールするマイクロチップがショートしてしまった。付属のせっ」

ドク「設計図」

マーティ「あっ設計図を参考に1955年製の部品を使ってこれに代わる装置を作れば、タイムマシンは元通り完璧に機能する」

ドク「ツツツ、信じらんな。こんなちっぽけ部品1つが致命傷になるとは。こりゃ安いはずだい、メイド・イン・ジャパンだ」

マーティ「何言ってるのドク。良い物はみんな日本製」

ドク「とても信じられん」

 夜-デルガルド鉱山前

ドク「子供の頃、大きくなったらカウボーイになりたいと思っていた。自分が将来、過去で暮らすとわかってみると、余生を送るにはうってつけな気がするな。今思ったんだが、1885年に行けば私は歴史に名を残しているかもしれん。そうだ、マーティ。図書館に行って、昔の新聞の記録を調べてみるか」

マーティ「よしなよ、ドク。先のことはわかんない方がいいって自分でいつも言ってるじゃない」

ドク「そうだったな。もうかなり知りすぎてたはいるが。自分の運命を暴いたところでなんの得もない。やめとこう。コペールニクスッ!さぁ帰るぞ−」

マーティ「あぁ、僕呼んでくる。コペルニクス!ほらおいで。もう帰るぞ。何やったんだ。どうした、ほらおいで。来いよ、帰るんだから」

マーティ「ドク!ドォーークッ!来てよ、早く!」

ドク「どうしただい?幽霊でも見たような顔して」

マーティ「そういうことになるかも」

ドク「なんてこった…!こっ!あっ・・・!」

マーティ「ドクのお墓だよ。死んだのは1885年9月7日。あの手紙を書いた1週間あとだ!「クララ、永遠の愛ためにこれを建てる」。クララって誰だよ!?」

ドク「マーティ、やめてくれ!そこに立つのは」

マーティ「あぁ、いけねぇ。ごめんなさい。これ写真撮っとこう」

ドク「80ドルを巡る争いでビフォード・タネンに背後から撃たれて死亡。これが私の未来だというのか」

 図書館

マーティ「ビフォード・タネンは名撃てのガンマン。気性が荒く、ヨダレのたらす癖があったことからマッド・ドッグの異名をとる。早撃ちを得意とし、自称12人を殺した。但しインディアンや中国人は含まれない」

ドク「私も入っているのかい?その12人に?」

マーティ「あぁ、待って。しかし1884年、気に食わない記事を新聞に載せたと、編集者を撃ち殺して以来、彼に関する正確な記録がなくこれを実証する資料は残っていないだって」

ドク「見てくれ。ウィリアム・マクフライの一家とある。君の祖先か」

マーティ「ひいおじいちゃんの名前がウィリアムだけど。あっこの人だ。ハンサムだね」

ドク「マクフライはいたがブラウンはいない」

マーティ「きっと間違いだよ。あれはドクのお墓じゃなくて同姓同名の別人かもしれないさ」

ドク「いやいやいや」

マーティ「この時代、先祖がここにいた?」

ドク「ヒル・バレーに来たのは1908年。先祖はフォン・ブラウンと言った。第一次大戦中に父が改名した」

マーティ「あっでも見て」

ドク「おぉ!なんてことだ。私だ。紛れもなく。すべて真実だ。私は過去に行って殺された」

マーティ「いや、そうはならないさ。デロリアンのタイムサーキットを直して新しいタイヤをつけてくれたら、僕が1885年に行ってドクを連れ戻す!」

 1955年11月16日-昼-ポハチー・ドライブシアター

ドク「服は来たか?」

マーティ「うん、ぴったし。でもブーツがキツくてやだよこれ。けど、こんな格好でいいの?本当に」

ドク「もちろんだよ。西部劇見たことないのかい?」

マーティ「映画はしょっちゅう見てるけど、クリント・イーストウッドはこんなの着てないよ」

ドク「誰だそりゃ?」

マーティ「あぁそうか。まだ出てないもんね」

ドク「ブーツは履かなきゃダメだよ。1885年にそんなものを履いて歩けるか。1955年の今だっておかしい」

マーティ「あぁわかったよ。向こうへ行ったらすぐ履き替えるから」

ドク「よし!準備は万全だ。燃料は満タン。未来の服も積んだ。念のために余分のバッテリーを積んでおこう。トランシーバー用に使え。あっ宙に浮く板は どうする?」

マーティ「ホバーボードね、持ってくよ。ここからヒル・バレーまで歩くの?随分ありそうだな」

ドク「ここが1番安全なんだ。人口の密集地に着陸させるわけにはいかんだろ。どんな地形かわからんところは尚悪い。大木に突っ込んで一巻の終わりなんてことになりかねん。このあたりならだだっ広い平野だ。着陸してから滑走スペースも十分ある。いいか?これから行くところには道なんかない。この先に小さな洞穴がある。マシンを隠しておくにはうってつけだ。さぁ新しいタイムコントロール装置がもうあったまったぞ」

ドク「タイムサーキットON。あの手紙の日付が9月1日だから翌日に合わせよう。1885年9月2日午前8時。私が殺されたのが7日。5日以内に探し 出 せ。手紙に鍛冶屋をやってるとあるからどっかに店があるはずだ。いいか、発進したら一気に時速88マイルまで加速してあのスクリーン向かって突進し ろ」

マーティ「待ってよ、ドク。スクリーンを突き破ってあのインディアンの中に飛び込めっての?」

ドク「マーティ。四次元の旅ってことを忘れるな。君は1885年に瞬間移動する。そこにはあのインディアンはもういない」

マーティ「本当に?」

ドク「それじゃ成功を祈る。私たちのために。未来で会おう!」

マーティ「過去で、だね」

ドク「その通り!」

ドク「スタートラインについて。いいか?マーティ」

マーティ「こっちはOK!」

ドク「よーい」

マーティ「ハイヨ、シルバー」

ドク「さようなら!元気でなー!」

タイムスリップ!!

③ 西部開拓時代

 1885年9月2日-朝-荒野

マーティ「インディアンだー!」

マーティ「はぁあーあぁー!洞穴だ」

騎兵隊「突撃ー!」

マーティ「今度は騎兵隊だ!あっ!」

マーティ「燃料タンクに穴が。あぁ!あぁぁー!」

マーティ「あぁはっ!うわっはは、あっだぁはは、うわぁ、あっあっ、どぅわ、あっ…」

シェイマス「マギー!水を持ってきてくれ。人が倒れてる」

 夕方-マクフライ農場

マーティ「ママ?ママなの?」

マギー「気がついたのね。あなた6時間も眠り続けたのよ」

マーティ「なんか恐ろしい夢見ちゃって。僕さ、西部の荒野にいるの。インディアンの大群に追われて怖かった。熊にも」

マギー「もう大丈夫よ。このマクフライ農場にいれば安全だから」

マーティ「はっ!マクフライ農場!?あぁああ!じゃあんたは…あんた僕の、僕の…君だれ?」

マギー「マクフライよ、マギー・マクフライ」

マーティ「マクフライ…マギー?」

マギー「ミセス・マクフライ。言っときますけど人妻ですからね。あなたお名前は?」

マーティ「僕はマ…あの…。イーストウッド。そう僕、クリント・イーストウッド」

マギー「頭を打ったのね、イーストウッドさん。ひどくはないようだけど、シェイマスが見つけたのは運がよかったわ」

マーティ「シェイマスってだれ?」

マギー「うちの主人よ。休んでて。あたしウィリアムを見てやらなきゃ」

マーティ「ウィリアム?」

マギー「はいはい、おっきしたのね。ほーら、いい子いい子」

マーティ「その子がウィリアム?」

マギー「えぇそう。ウィリアム・ショーン・マクフライ。我が家の初めてのアメリカで生まれた子どもよ。泣かなくていいのよ、ウィリー。あの人はクリント・イーストウッドさん。うちのお客様。この子あなたが気に入ったみたいね」

シェイマス「ただいま」

マギー「おかえんなさい」

シェイマス「夕飯とってきたぞ」

シャイマス「別に人様のことを詮索する気はないんだがね。それにしてもこんなところに馬なしで一体どうやって来たんだ?ブーツもなしに、帽子もだ」

マーティ「そのぉ、車…馬が潰れちゃってさ。ブーツは熊に取られた。帽子のことは忘れたよ」

マギー「帽子を忘れる人なんているかしら。お水入れましょうか?」

マーティ「あぁえぇ」

シェイマス「これも何かの縁だ、イーストウッドさん。鍛冶屋の友達を探すの手伝うよ。今夜はうちの納屋に泊まるといい。明日1番に鉄道の線路まで送ろう。それを伝っていけば町へ出られる。帽子は私のをあげよう」

マギー「ふぅーん」

マーティ「それはどうも。ご親切に」

シェイマス「おぉハハハ。ウィリアムのやつ起きたか。よしよーしウィリー。どうしたどうした。おいで。なーに、納屋の寝心地は悪くないはずだよ。 うちの豚から苦情が出たことがないから、ほほほ」

マギー「あなた。ちょっと話があるの」

シェイマス「何?ちょっと抱いててくれないか」

マギー「あなたどう言うつもり?見ず知らずの若い男をうちに泊めるなんて。祟られたりしたら心配だわ」

シェイマス「わかってるが、どうにも気になって仕方がないんだ、マギー。あの男のために何かしてやりたい、そうすべきだと思う」

マーティ「ほら坊や。大きくなったろう。なぁウィリー」

シェイマス「ほらあの子を見てごらんよ。知らない人には絶対懐かないはずなのに。まるで親戚みたいに安心しきってるじゃないか」

マーティ「君は僕のひいおじいちゃんだ。マクフライ家アメリカ生まれの第1号。親愛の印?」

 1955年9月3日-昼-ヒル・バレー

マーティ「(口笛)」

風呂屋の客「ワン、石鹸ひとつ」

風呂屋の店員「はいはい」

馬車の運転手「はぁー!」

マーティ「うわぁ、ああっ!」

馬車の運転手「はぁっ!」

 昼-パレス・サルーン

レヴィ「おい見ろ!今入ってきたやつ、なんだありゃ」

ジーク「サーカスが町に来てるとは知らなかったな」

ジェブ「死んだ中国人からシャツをはぎ取ったに違いない」

3人「あーはっはっは。あーははは。へっへっへ…」

チェスター「なんにする?若いの」

マーティ「そうねぇ。それじゃ…冷たい水」

レヴィ「水だとよぉ」

3人「はーはっはっは」

チェスター「水だって?水が欲しけりゃ外の飼馬桶に首突っ込んで飲むんだな。ここじゃウィスキーと決まってる」

マーティ「ねぇちょっと」

チェスター「なんだ?」

マーティ「鍛冶屋を探してるんだけど?」

ビュフォード「よう、マクフライ。ここには面出すなって言ったはずだぞ?あれ、シェイマス・マクフライじゃねぇな。それにしてもよく似てやがる、 そのしょぼくれた帽子なんぞよ」

ビュフォードの手下「ふははは、はっはっはっは」

ビュフォード「あのへなちょこ野郎の親類か?てめぇ名前は?」

マーティ「いや、マ…イーストウッド。クリント・イーストウッド」

ビュフォードの手下「ふはははっはっは」

ビュフォード「なんだ、その締まらねぇ名前は?」

シガー「腹の中にいるチビ豚みてぇだ」

スタブル「なぁ見ろ?粉かかったみてぇな甘ちょろな歯。行儀よく並んでよ、人形みてぇ」

バック「あれ靴か?妙なものを履いてっぞ。何の皮でできてんだ?字が書いてありゃ」

スタブル「ニーケーだと?誰かインディアン語のわかるやついるか?」

ビュフォードの手下「ふっははははっはっは」

ビュフォード「おいバーテン。例の鍛冶屋のペテン野郎探してんだ、見かけねぇか?」

チェスター「あっしは知りません、タネンさん」

マーティ「タネン?マッドドッグのタネンか?」

ビュフォード「マッドドッグだと?気に喰わねぇな。その名前は気に喰わねぇんだ。誰にもマッドドッグなんて呼ばせねぇ!聞いてんのか、テメェ!卵面したへなちょこ野郎が。なめやがって!」

マーティ「だあぁぁあ!はっ!」

ビュフォード「踊れ!」

マーティ「あーあぁ!」

ビュフォード「ほらどうした!?」

マーティ「ふわっ!うぅわ!あぁーああ!」

ビュフォード「踊れ!踊れ!音なく踊ってみせろ!」

ビュフォードの手下「あーはっはは。ひやーっははは。あっ?」

マーティ「The kid is not my son...」

レヴィ「なんだありゃ?」

マーティ「フォー!ふん、っん」

ビュフォードたち「あーぁ」

マーティ「うへぇ…」

マーティ「んあ、あっ、んはっあっ。んあぁ、はっ!」

ジーク「逃げたほうがいいぞ」

ビュフォード「野郎捕まえろっ!」

バック?「待ちやがれ!」

マーティ「あぁああ!」

スタブル「この野郎」

 昼-酒場前の大通り

シガー「野郎!待てぇ!」

ビュフォード「逃すんじゃねぇ!追いかけろ!」

婦人たち「あー!あっ!」

マーティ「うわぁああ」

ビュフォード「待てぇ!この野郎!待て待て!」

マーティ「あぁやめてぇ…」

マーティ「あーぁ!」

シガー?「よぉし、いいぞー」

マーティ「うわぁああ」

 昼-時計台前

ビュフォード「この町にも裁判所が建つ。縛り首の予行練習だ」

マーティ「うわぁぁ…や、やめてぇ」

バック「吊るせー!」

スタブル「いいぞ、ビュフォード!」

マーティ「うっわぁぁ。あぁー!」

シガー「いい眺めだぜ!」

ビュフォード「たまんねぇや。縛り首なんて何年振りだな、おい」

マーティ「うわっ!」

ドク「500メートル離れた犬の背中のノミでも撃ち落とせるぞ。今貴様の頭に狙いをつけてる」

ビュフォード「てめぇには貸しがある」

ドク「こっちには覚えはない」

ビュフォード「馬の蹄鉄が外れた。てめぇがつけたんだぞ、鍛冶屋。てめぇの責任だ」

ドク「貴様はその手間賃を払ってないんだ。これで五分五分だぞ」

ビュフォード「バカこけ!蹄鉄が取れたせいで俺は馬から振り落とされたんだぞ。おかげでよ、正気に戻るのに上等なケンタッキー産ウィスキー1本空けちまった。て めぇが払うのが筋だろう。ウィスキーの代金5ドルと馬一頭分75ドル。合わせてな」

マーティ「ちょうど80ドル」

ドク「よぉし、蹄鉄がとれたっていうなら馬を連れてこい。つけ直してやる」

ビュフォード「馬は撃ち殺してやった」

ドク「それはお前の勝手だ、タネン」

ビュフォード「違う。てめぇのせいだ。いいか、鍛冶屋。外を歩くときは後ろに気を付けろよ。いつかその脳天に弾をぶち込んでやる。いくぞぉ、はっ!あっ!」

マーティ「ドク」

ドク「マーティ。部品交換の指示を与えたのはここへ来るためじゃない、1985年へ戻れと言ったんだ」

マーティ「わかってるけど、そういかなくて…」

ドク「君にまた会えて嬉しいよ」

マーティ「ドク」

ドク「そのナリはなんとかしたほうがいいな。それで町を歩いたんじゃ撃ち殺されても不思議はない」

マーティ「吊るされたりね」

ドク「どこのバカがそんなもの着せたんだ?」

マーティ「あんただよ…」

④ クララ・クレイトン

 昼-鍛冶屋

ドク「80ドルを巡る争いでビフォード・タネンに背後から撃たれて死亡。9月7日だと。今度の月曜日じゃないか。金を払っときゃよかったな。永遠の愛のためってなんだ?クララなんて女性は知らんぞ」

マーティ「僕だって知らないよ。てっきりドクのガールフレンドと思ってた」

ドク「おぉい、おい。私にそんな付き合いができると思うのか。1885年の世界に来て、1つ間違えりゃ時空連続体を破壊することになる。科学者として、そんな危険なことを冒すわけにはいかんよ。今まで嫌っという程思い知らさせたんだから」

ヒューバード「エメットー!おぉ」

ドク「ヒューバード。市長さんだよ」

ヒューバード「あぁどうもこんにちは。先週町の集会の時にあんた言とったろう、新しい先生が赴任してきたら駅へ迎えに行ってもいいって」

ドク「えぇ行きますとも」

ヒュバード「明日の汽車で着くって知らせがあった。詳しいことはこれに。使い立てしてすまんな」

ドク「お安い御用ですよ」

ヒューバード「だーそうそう。名前はミス・クレイトン。クララ・クライトンだ」

マーティ「おめでとう、ドク。クララの正体がわかって」

ドク「いいかマーティ、ありえないことだ。私がその女性に一目惚れするなんてのは。ナンセンスもいいとこだ。そんなものはなんの科学的根拠もな い」

マーティ「科学とは関係ないんだよ、ドク。出会った瞬間、稲妻に打たれたみたいになっちゃうんだから」

ドク「やめてくれバカバカしい」

マーティ「ジェニファーに初めて会ったときがそうだった。お互い目を逸らすことができなくてさ。ジェニファーっていえば大丈夫かな?ポーチに寝かせたまま置いてきちゃったりして」

ドク「あの子ことなら心配はいらんよ。ビフから年間を取り返して焼いた瞬間に時の流れは正常に戻った。1985年に戻ったらすぐに行って起こしてやればいい」

ドク「おっ!マーティ、そこのバルブを回して。右へいっぱい。そうだ、目一杯回して。 よーしいくぞ」

ドク「アイスティーは?」

マーティ「僕いいよ。これ製氷機?」

ドク「よし、ミス・クレイトンには自分で町へ行く足を見つけてもらおう。この女性に会わなければロマンスが芽生える可能性はゼロだ」

マーティ「さすがドク」

ドク「そうと決まったら、デロリアンを引き出して未来へ出発だ」

マーティ「それがさぁ、着陸したときにタンクに穴を開けちゃったから。それ塞いで燃料入れないと」

ドク「タンクは空だといういうのかい?」

マーティ「どうってことないじゃん。ミスター・フュージョンを使えば」

ドク「ミスター・フュージョンはタイムサーキットと次元転移装置に動力を送っている。だが内燃機関は普通のガソリンで動くんだ、改造前と同じように。この辺りにはガソリンスタンドができるのは次の世紀まで待たなきゃならん。ガソリンなしじゃデロリアンを時速88マイルまで加速するのは不可能だ」

マーティ「じゃどうすんの?」

 夕暮れ-荒野

ドク「イヤー!ハイヤー!ハイヤー!イヤー!イヤー!アリャヤー!」

マーティ「24マイル!」

ドク「無駄だよマーティ。世界一速い馬を走らせたって精々時速40マイル出りゃいいとこだ。アイリャー!」

 1885年9月4日-朝-鍛冶屋

マーティ「店で1番強いやつって買ってきたんだ」

ドク「かけてみろ」

ドク「もっとふかして!」

ドク「くっそっめ…。マニホールドが吹っ飛んじまった。こいつはなかなかのもんだ。新しくするのにはひと月かかる」

マーティ「ひと月!?ドクは月曜日に殺されちゃうんだよ?」

ドク「言われなくたってわかってるよ!いっそのこと…いや、待てよ。そうだ!急な下り坂を使えばいいんだ…いやいやダメだ。滑らかな地面でなきゃ。すると1番いいのは氷だ。冬まで待てば…湖が凍る」

マーティ「冬まで待つ!?何言ってんだよ!月曜まで3日しかないのに」

ドク「わかった!わかった、わかった。もっと冷静に論理的に考えるんだ。自力で走らせることはできない。引っ張るのも無理だ。しかし、もし方法さえ見つかれば…押していって時速88マイルまで上げられるかもしれん。んっ!?」

ドク「あれだ」

 朝-ヒル・バレー駅

汽車の運転手「どのくらい出るかって?俺の最高記録は55だ。こいつぁは聞いた話だが火の玉フランク・ファーゴが、ベルゼ・ジャンクションで70マイル出したそうだ」

マーティ「もし目一杯飛ばしたら90マイル出るかな?」

汽車の運転手「90!?バカな!そんなに飛ばしてなんの得がある?」

ドク「いや、ちょっと2人で賭けをしてな。理屈で考えたらいけるかね?」

汽車の運転手「そりゃまぁ、線路がずっとまっすぐ伸びてる平坦なとこで、後ろに列車を繋いでない時。窯をガンガンに炊いたとしたら、それこそ窯が地獄になるほど炊いたらの話だぜ。まぁそうなりゃ90は出っだろうよ」

ドク「今度ここを汽車が通るのはいつだね?」

汽車の運転手「月曜の朝8時に来る」

ドク「ここだ!この分岐点はクレイトン峡谷まで3マイル。平坦な長い直線で1985年にもこのままだ。ここを使って機関車でデロリアンを押すんだよ。へっ、この地図じゃショーナッシュ峡谷になっている。インディアンがつけた古い呼び名かな。完璧だ。長い直線が峡谷を越えて伸びている。ヒルデイルの団地のすぐ近くまでいっている」

マーティ「でもさぁ、この地図見てよ。鉄橋がない」

 昼-鉄橋

マーティ「ねぇドク。この計画もオジャンだね。1年半待たなきゃ橋は完成しないもん」

ドク「いやぁ完璧だ。君は四次元の旅ってことを忘れてるな」

マーティ「またそれか、苦手なんだよ僕」

ドク「なぁいいか。1985年には鉄橋は存在してちゃーんと立派に運行中だ。だからこの峡谷に達するまでにデロリアンを時速88マイルで加速すれば、我々は瞬間的に時空を越え完成した橋の上に着陸できる。そこにはちゃーんとした線路があって、そのまま悠々と峡谷を渡り切る」

マーティ「機関車はどうなるの?」

ドク「谷へ落っこちて木っ端微塵だ。誰もそいつを見ることはできんがね」

クララ「あー!助けてー!誰かー助けてー!」

ドク「暴走だ!」

ドク「ひいやぁ!ハイヤー!ァイヤー!ひぃやっ!ひぃやーっ!」

マーティ「はっ!はっ!はっ」

ドク「よぉし落ち着いて」

クララ「お願い!」

ドク「飛べぇ!」

ドク「たぁー」

クララ「どうもありがとう。あなたは命の…恩人」

ドク「私はエメット・ブラウン。あなたは?」

クララ「あたし…あたし、クレイトン。クララ・クレイトン」

ドク「クララ?なんと美しい名前」

 昼-クララの家

ドク「荷物を中に運びましょうか?」

クララ「いえ、いいんです。そのくらいは自分でできますから。すっかりお世話になってしまって」

ドク「大したことじゃありません」

マーティ「ドク、いいって言ってんだからさ。引きあげようよ。先生、新しい職場で頑張ってください」

ドク「クララ、壊れた馬車のことは私がスタットラーさんと話をつけますから心配しないで。煎じ詰めれば私にも責任がある」

クララ「そんな。でも本当に紳士でいらっしゃるのね。ありがとう、ブラウンさん」

クララ「エメット、あのっ…馬が蛇に驚いて暴れ出したことに感謝したいぐらい。あなたに会えたんですもの。運命かもしれませんわね。本当に色々ありがとうございました」

ドク「どういたしまして」

クララ「きっとまたお会いできますわね」

ドク「えぇもちろん。町が店をやっていますから。私が鍛冶屋でして、いやいやいやいや科学者でございまして」

クララ「科学を?ご専門は何かしら?天文学?化け学?」

ドク「あらゆる科学の学徒です」

マーティ「ねぇドク。もう行かなきゃ」

ドク「あーわかってるよ。じゃクララ。私はもう行かないと。バーイ」

マーティ「またいつでも会えるって言ったのどう意味?」

ドク「そりゃ通りかがりに会うこともあるだろうさ」

マーティ「あの人のドクを見る目、普通じゃなかったな」

ドク「はっはっは。よほど怖かったんだろうね。もうちょっとでクレイトン峡谷の谷底へ落ちるところ…クレイトン峡谷」

マーティ「そうだ!学校で習った。女の先生の名前をとってつけたんだって。100年前に馬ごと谷へ落ちたって」

ドク「100年前といえば、今年じゃないか」

マーティ「学校じゃみんな言ってたよ。谷へ落ちればいい先生がいーっぱいいるって」

ドク「あーなんてことだ。あの人は馬車もろとも谷へ落ちるはずだった。私は歴史を変えるようなとんでもないことを」

マーティ「ねぇドク。大したことじゃないよ。峡谷の名前が変わるだけじゃない。デロリアンを整備して早いとこここを抜け出そう」

ドク「あんなタイムマシンを発明したことがそもそもの間違いだった。災いをもたらす以外の何物でもない」

 1885年9月5日-昼-鍛冶屋

マーティ「もしもし、こちらマーティ。聞こえますか?」

ドク「あぁ聞こえるよ」

マーティ「よかった。これまだ使えるね」

ドク「よぉしマーティ。もう一度、配置と手順を最初からおさらいだ。すまんな。こんな大雑把な模型で」

マーティ「あぁ気にしないでよ。縮尺もバラバラなんでしょ?これで十分」

ドク「よしっと。明日の晩、日曜だ。デロリアンを運んでこの分岐点上にセットする。銀山の廃坑のすぐ近くだ。分岐線はここで本線から分かれてまっすぐクレイトン峡谷へ3マイル。いやいやショーナッシュ峡谷か。汽車は月曜の朝8時に駅を出る。まずここで止めて、後ろの貨車を切り離し、線路を切り替えてハイジャック。機関車を借用してそれで、デロリアンを押していく。私の計算ではちょうど峡谷の入り口にかかるところで88マイル突破。その瞬間にもうデロリアンは1985年に戻っていて、完成された鉄橋の上を走っている」

マーティ「これどういう意味?ノーリターン・ポイントって」

ドク「言うなればギリギリの境界線。ここまでなら峡谷へ落ちる寸前に汽車は止められる。だがこの風車を過ぎたら、未来か地獄だ」

ドク「さぁマーティ。プラス極につないで。ゆくぞぉ」

マーティ「いいよ、OK」

ドク「汽車が駅を出発。分岐点に近づいてきた。分岐点で止めて、線路を切り替える。デロリアンを押して走行。グングンスピードアップ!そのまま加速して88マイル突破」

ドク「いやっ!ざっとこんな具合だ」

クララ「こんにちは。エメット?」

ドク「クララだ。早く!覆いをかけて」

クララ「こんにちは」

ドク「いやーいらっしゃい。珍しいお客さんだ」

クララ「突然ごめんなさい。お邪魔じゃなかったかしら」

ドク「いやいや、あー鉄道の模型をちょっとイジってたもんで」

クララ「まぁ。実はね、エメット。トランクが馬車から投げ出された時に望遠鏡が壊れてしまったらしいの。科学に興味をお持ちだって伺ったもので、あなたに修理していただけないかと思って。あぁもちろん、お代はちゃんとお払いしますので」

ドク「いやいや、とんでもない。あなたからお金なんかいただけません。とにかくちょっと見てみましょう」

クララ「どうやら照準がおかしくなってしまったらしいんです。ほら、ちょっと覗いてご覧になって。像がボヤけて見えるでしょう。ね。でも少し、こうすると…ねっ?」

ドク「クッキリと鮮やかに…見える」

マーティ「オホホッ、ンフゥ」

ドク「これからすぐ修理して今夜お届けいたします」

クララ「あぁでも、今夜は町のフェスティバルでしょ?あたし…そんな日に望遠鏡の修理を押し付けたりしちゃ申し訳ないわ。だってお二人共、フェスティバルにいらっしゃるんでしょ?」

マーティ「いやぁ僕たちは別に…」

ドク「いーやいやいや、そりゃ行きますとも」

クララ「あのーそれでしたら、今夜フェスティバルでお会いしましょう、エメット。お邪魔しました」

マーティ「どうも」

クララ「ありがとう。望遠鏡の修理を引き受けてくださって」

ドク「お役に立てれれば喜んで」

マーティ「すっごい望遠鏡」

⑤ ヒル・バレー祭り

 夜-ヒル・バレー祭り会場

ヒューバード「紳士淑女のみなさま方。ヒル・バレー市長であるこの私が、ヒル・カウンティにお住まいの方々にのこの時計を送れることは実に喜ばしいことです」

市民「イエーイ!」

ヒューバード「永遠に時を刻み続けることを祈って。さぁみなさん声を出して」

市民「3・2・1、スタート!ヒュー!ハハハ!イエーイ!」

ヒューバード「さぁフェスティバルの始まりだぁ!」

ドク「これを見て1番感動しているのは我々だ」

マーティ「カメラ持ってくりゃよかったよ」

カメラマン「よろしいですかな?」

ドク「せっかく撮っても誰にも見せられんのが癪だが」

マーティ「笑って、ドク」

歌 ダブルバック

ドク「いい音楽だね」

マーティ「あぁパンチが効いててダンスにはピッタリだ」

ジョンソン「さぁさぁ最新式の拳銃の試し撃ちをやらないか?サミュエル大佐が特許を持つ一流武器工場の新製品!コネチカットから直送だ。お客さん、このモデルは絶対おすすめ。うーんと進歩した扱いやすくて精巧な護身用コルト・ピースメーカーだ」

クララ「あぁどうも」

ジョンソン「今夜だけは特別価格で手に入る。大まけにまけて12ドルでどうだ」

ドク「こんばんは」

クララ「こんばんは」

ドク「とてもキレイだ、クララ」

クララ「まぁ…ありがとう」

ドク「どうかね?あぁあの…よろしかったら…その…」

クララ「えぇ喜んで」

ジョンソン「よぉ兄ちゃん、試し撃ちやってみないか?」

マーティ「いやぁダメダメ。やめとくよ。ねぇドク…あっ、んん?」

ジョンソン「よぉ兄ちゃん。そこのカワイイ坊ちゃん」

マーティ「ドクがダンスだってぇ?」

ジョンソン「ねぇねぇ。坊や。お前さんだよ。なぁ坊や、言っとくけどこいつぁ赤ん坊でも扱えるぐらい安全な代物だ。赤ん坊でもいじれると聞いたらもう怖くないだろ?」

マーティ「別に怖がってるわけじゃないよ」

ジョンソン「だったらほら!男らしく挑戦してみなってのさ。いいかい?まずここについてる撃鉄を下ろして、それから指で引き金を引く。あー違う違う!手はこうまっすぐ伸ばして自然な姿勢で。そう、それでよし」

ジョンソン「おーほっほっほほ」

マーティ「ねぇもういっぺんやってもいい?」

ジョンソン「あぁ、まぁいいだろう。へへ」

ジョンソン「ねぇちょっと。1つ聞いていいかな。あんな撃ち方どこで覚えたの?」

マーティ「セブン・イレブン」

 夜-ヒル・バレー祭り会場前

スタブル「ビュフォード。鍛冶屋のクソジジイ本当にいるのかい?」

ビュフォード「あぁいるとも。今夜は町中総出だ」

副保安官「あぁちょっと待った。フェスティバルの会場に入るなら、ここで武器を預かることになってる」

ビュフォードの手下たち「あーひゃっははは」

ビュフォード「俺様に丸腰で歩けってのか、てめぇ…」

ストリクランド「私の指図だ」

ビュフォード「ストリクランド。いつ町へ戻ってきた?」

ストリクランド「事務所の札が読めたんならこいつの意味もわかるだろ?」

ビュフォード「保安官が市民の背中にショットガンつきつけて脅すのかよ?」

ストリクランド「お前さんと同じさ。有利な立場が好きでな。銃を預けるのか?」

ビュフォード「助手の野郎をからかっただけだ。端から預ける気だった。おい、そうだよな?みんな!」

バック「あぁその通り」

副保安官「タネン。そのナイフもだ」

ビュフォード「ちっとは愛想よくしろ。今日はめでてぇ日なんだ」

ストリクランド「私が真から笑えるのは、多分お前さんが縛り首になる日だろう」

副保安官「楽しんでくださいよ」

ストリクランド「連中を押さえるには一歩も後へ引かず、あくまでも権威を維持することだ。いいか忘れるな?"権威"だ!」

ストリクランドの息子「はい、お父様」

 夜-ヒル・バレー祭り会場

歌 藁の中の七面鳥

女性「どうもすみません」

マーティ「いえ」

シェイマス「よぉ、イーストウッドくん。君も来てたのか。着るものは前と違って落ち着いたようだね。帽子もなかなかいい」

マーティ「いやーこの前はあんまり評判がよくなかったもんでね」

マギー「そのスーツの方がずっとお似合いよ。立派に見えて」

マーティ「そう?ありがとう」

マーティ「はぁーフリスビーだって。飛んでるね」

シェイマス「どういう意味だ?一体」

マギー「目の前にあったじゃない」

シェイマス「あぁ」

祭りの人「さぁ元の位置へ。さぁ最初にいたところ。はい、よくきたね、挨拶」

歌 いとしのクレメンタイン

 夜-パレス・サルーン前

男「おぃ!オレのだ!」

バック「おっと、もらってとくぜ」

シガー「よこしな、ほら」

バック「いたぞ!ビュフォード」

ビュフォード「どこに?」

バック「あそこだよ。べっぴんの女と踊ってやがる」

スタブル「どうする気だ?ボス」

ビュフォード「見てろ。この先込め銃なら背中に押し付けてぶっぱなしゃ音は聞こえねぇ」

シガー「けど気をつけねぇと。弾は1発こっきりだぜ」

ビュフォード「1発あれりゃ要は足りる」

 夜-ヒル・バレー祭り会場

ビュフォード「後ろに気を付けろと忠告したろうが」

ドク「タネン。まだ早すぎるぞ」

ビュフォード「こいつはデリンジャーだ。小さいが威力はある。この前のやつは死ぬまで丸2日かかった。腹ん中に血を流してとことん苦しみ抜いて死ぬんだ。まぁ月曜の晩飯ごろにはあの世にいけんだろうぜ」

クララ「どなたか知りませんけど。あたしたち今ダンスしてるのよ」

ビュフォード「てめぇには似合わね上玉だな。よっ!紹介しろや、俺が相手をするぜ」

ドク「貴様なんか指1本触れさせるか!撃ちたきゃさっさと撃て」

ビュフォード「よしっわかった!」

クララ「あっ!ダメよ、やめて!エメットいいの。この人と踊る」

ビュフォード「おいてめぇら!鍛冶屋のお守りをしてろ。俺はちょっくら楽しんでくっから。いやっほぉー!はっはっはーたまんねぇや、う〜ん」

クララ「パートナーが銃を持ったままじゃちっとも気分が出ないわ」

ビュフォード「時期に慣れるって。こうしてりゃ。よぉ鍛冶屋!80ドルの貸しはこの女で払ってもいいぜ」

ドク「けだものが!その人を離せっ!」

ビュフォード「うぉお!はははっ。いいなぁ。おめぇなら80ドル分は楽しめそうだ」

クララ「あーら、ずいぶん私を見くびってるのね」

ビュフォード「おぉそうかな?」

ビュフォード「おぁ!あぁ…うあぁい。このアマっ!」

ドク「くっそぉ!貴様殺してやる。この野郎ぉ…タネン」

ビュフォード「うるせぇ。死ぬのてめぇだ。地獄へ送ってやる!くたばりやがれ!」

ビュフォード「てめぇ…」

マーティ「目が覚めたか、バカタレが!」

ビュフォード「豚のくせに大きな口を叩くじゃねぇか!たかがパイ皿投げたぐらいでこいつらを守ったつもりか!?」

マーティ「僕の友達にかまわないでくれよ」

ビュフォード「こそこそ逃げるところを見ると臆病者か」

ビュフォード「はっ、思った通りだ。ひよっこの臆病者が」

マーティ「誰にも臆病なんて言わせないぞ」

ビュフォード「ケリつけようじゃねぇか。今ここでな」

スタブル「ビュフォード、今はやめとけよ。銃を預けただろう」

ビュフォード「よしっ、このケリは明日つけるからな!」

バック「明日はパインシティの駅馬車を襲うって決めたろ?」

ビュフォード「月曜はどうだ?何かあったか?」

スタブル「あぁ…いや月曜は空いてっからちょうどいいな」

ビュフォード「月曜にまた来るから忘れんなよ!ケリをつけるんだ!パレス・サルーンの前の大通りで。約束だぞ、いいな?」

マーティ「わかったよ。時間は?真昼の決闘?」

ビュフォード「昼?俺は殺しは朝飯前にやる。7時に待ってろ」

マーティ「8時にしよう。殺しをやるなら朝飯食ってからだ」

ドク「マーティ…」

ストリクランド「そこで何やってる?何の騒ぎだ?また揉め事か、タネン」

ビュフォード「揉め事なんかねぇさ。個人的なことだ、イーストウッドと俺だけの。役人の出る幕じゃねぇ」

ストリクランド「今夜はそうはいかんぞ。揉め事は一切許さん。喧嘩をしたものは15日間刑務所行きだ。さぁみなさん!今日はフェスティバルだ!賑やかに楽しくやりましょう!」

歌  ダブルバック

ビュフォード「月曜の朝8時だ。もし来なかったらどこまで追っていってもカモ死にさせてやる」

スタブル「ちょっと違ったな。"犬死にさせてやる"だろ?」

ビュフォード「引き上げるぞ、ほらっ!こんなところクソ面白くもねぇ!」

ドク「なんだって決闘の約束なんか」

マーティ「大丈夫だよ。心配しなくたって。月曜の朝8時だよ?僕たち未来へさよならさ」

ドク「予定はそうなんだが、もし汽車が遅れたら?」

マーティ「遅れる?」

ドク「この話はあとだ」

マーティ「待ってよ。遅れるって?」

クララ「さっきはありがとう。危ないところを助けてくださって」

マーティ「いやぁそんな、どうも」

クララ「あなたがいなかったらエメットは撃たれたわ」

ドク「マーティ…いやいやクリント。私はこの人を送ってくから」

マーティ「そう、じゃ」

赤い服の男「いやぁあんた立派だったよ、イーストウッドさん。あのならず者に堂々と立ち向かっていくあんたを見て本当に嬉しかった」

男「そうなんだよ。私も感激してね、ぜひ1杯おごらせてくれないか?」

マーティ「悪いんだけど今飲みたくないし、そんな大袈裟に言われると困っちゃうな」

ジョンソン「大将!ねぇ大将。この新品のガンベルトとコルト・ピースメーカー。あなたに使って欲しくてね。金はいらん」

マーティ「くれるの?」

ジョンソン「ならず者のビュフォード・タネンを撃った銃はうちのコルト・ピースメーカーだって町中のみんなに吹聴できる!」

マーティ「いいよ。うんと宣伝して。ありがとう」

ジョンソン「あぁもちろん。もしあんたが負けたときには返してもらうけどね」

マーティ「どうもありがとう」

シェイマス「君は罠にハマったんだよ?知らん顔して立ち去っても誰も非難はしないのに。奴の口から出る言葉は、罠にハメるための虚仮威しさ。それにまんまと乗せられて。君はバカげたゲームに引き摺り込まれた。奴のルールでやる、奴のゲームにね」

マーティ「そんなこと僕だってちゃんとわかってるさ」

マギー「マーティンのことを思い出すわ」

シェイマス「あぁ」

マーティ「誰?」

シェイマス「兄弟だ」

マーティ「ちょっと待ってよ。ねぇ。マーティンっていう兄弟がいるの?」

シェイマス「もう死んだよ。人に煽られるとすぐ喧嘩をしてね。拒めば臆病だと思われる、それしか頭にないんだ。挙げ句にナイフで刺されて命を落とした。バージニア・シティの酒場で。あいつは多分将来のことなんか1度も考えたことはなかったろう」

マギー「あなたは将来のことをちゃんと考えてやってるんでしょうね?」

マーティ「あぁ、いつだって考えてるさ」

 夜-クララの家の前

クララ「北西より真ん中あたりにあるクレーター、星が破裂したみたいに見えるでしょう?」

ドク「あぁ」

クララ「それは『コペルニクス』って呼ばれてるの。あらっ…ふふふ、あたしったらまるで授業しているみたいね」

ドク「あっはは、いやいや。もっと聞きたい。授業を続けて」

クララ「えぇ」

ドク「月の地形がそんなに面白いものとは知らなかったよ。君は詳しいんだね」

クララ「あたし11の時、ジフテリアにかかって3ヶ月隔離されたの。それで父がこの望遠鏡をベッドのそばに据え付けてくれて。『星を見てると楽しいよ』って。ねぇエメット。いつか人類は汽車で旅行するみたいに、自由に月へ行けるようになるかしら?」

ドク「もちろんさ。あと84年はかかるだろうけど、汽車じゃなくて宇宙船やカプセルをロケットで打ち上げるんだよ。そいつは恐ろしく大きな爆発を起こす装置で、強力なパワーを…」

クララ「それは地球の引力をも断ち切って、発射物を宇宙へ送り出すのだ。エメット。あたしもその本読んだのよ。ジュール・ヴェルヌの『地球から月まで』からの引用でしょ?」

ドク「君、ジュール・ヴェルヌを呼んだのかい?」

クララ「あたし大好きなの、ジュール・ヴェルヌ」

ドク「あぁ私もだ。中でも1番の愛読書は『海底2万里』。初めて読んだのは子どもの頃で、どうしてもネモ艦長に会いたいってね」

クララ「あっははは。エメットったら、からかって。子どもの頃に読んでるはずないわ。だって初版が出たのは10年前よ」

ドク「そう。でもあれを読むと、いつも子どもの気分に返るんだよ」

ドク「初めてだよ。ジュール・ヴェルヌが好きだという女性に会ったのは」

クララ「あたしだって…あなたのような人は初めて」